あまりに大き過ぎて

みなと部長

2020年01月17日 09:47


 もう繰言は言わない と言いつつ、
ここに向かうとつい後悔の念がほとばしる。

あんじゅが亡くなって17日が経つ。
市役所へも登録抹消の手続きを済ませた。
昨年はあんじゅは狂犬病の予防注射は打てなかった。

最初に通知が来て、獣医さんに相談したら
「待ちましょう」と言われ、
次に市役所より黄色の葉書が届いた。(イエローカード)

最後に赤い葉書(レッドカード)が来た。
市役所の係の人に聞いたら
「狂犬病の予防注射は法律で義務化されているので
必ずやってもらわないとダメです。
が、獣医さんから「狂犬病予防注射猶予証明書」を
発行してもらえばその限りではありません。」
とのこと。

それを獣医さんに発行してもらえば、
その年は注射を回避できるのだ。

あんじゅは病気だったので、回避させてもらった。
登録も抹消したので、今年からはあんじゅ宛てに
注射のお知らせ葉書も届かない。


あんじゅが亡くなったのが12月31日。
すぐに火葬をし、
その日の夕方からダンナの実家へ出掛けた。

ダンナのお兄さん一家もいて、賑やかな年末年始だった。
そんなこともあり、ゆっくりダンナとあんじゅについて
話すことがなかった。

お正月終わっても、今度は新たなワンコ探しに
奔走し、迎えて、ばたばたと過ごし
ゆっくりと話す機会を失っていた。

時折、一人で家にいて
あんじゅの遣っていたブラシの
あんじゅの抜け毛を掃除している時
いろいろと想い出して自然と涙が落ちてきた。

毎日がそんな感じだ。

でも、まだあんじゅのために大声をあげて
泣いてはいない。
何故かそれができない。

最後の前日に病院で一度、心臓が止まりかけたとき
大声をあげてあんじゅに呼びかけた。

そしたらあんじゅは戻ってきてくれた。

その時にお別れをしたんだよ
と、ダンナは言う。

そうなんだね。
その時がお別れだったんだね。
大きな声で呼んだら帰ってきてくれたんだね。



だからもう泣かないでってあんじゅは言っているね。


ああ、もう出来すぎのあんじゅだ!
なんてワンコだ!


階下で新しく来たちびワンコが啼いている。
寂しくて啼いている。
あっちに行ってもいい?
こんな時、きっとあんじゅはソファの上にねそべって
上目使いで一瞥するだけ。

ふんじゃ、ちょっとちびすけを見てくるね。




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